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2007年05月20日

死刑制度の「今」を描ききった衝撃の問題作「モリのアサガオ」を読んでみよう!

 みなさんは死刑制度について、考えてみたことがありますか?

 重大殺人事件が起こって犯人が捕まった後、「死刑が求刑された」とか「死刑判決が下された」というニュースはよく耳にしますが、では実際にどのように死刑が執行されるのかまでは、あまり知られていないのではないでしょうか。

 被害者にでもならない限り、「死刑」は遠い世界で行なわれていることのように感じていませんか?

 そんな、今まで死刑制度についてあまり考えたことがない人に、特に読んでもらいたいマンガがあります。それが「モリのアサガオ」です。

モリのアサガオ 6 (6)
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郷田 マモラ
双葉社 (2006/12/26)
売り上げランキング: 110303
おすすめ度の平均: 4.5
5 単純に死刑について考えさせられる
4 今のうちに迷っておこう

 もけもけも、今まであまり深く考えてみたことがなかったというか、単純な「死刑制度賛成派」だったんだけど、このモリのアサガオを読んでものすごーく考えさせられました。

 あまり深く考えてこなかったのには、死刑制度がどのように運営されているのか、ここまで詳細には知らなかったことも大きいですね。

 モリのアサガオを読めば、死刑執行の現場でどんなことが起こっているのかをリアルに感じ取ることができ、死刑制度の矛盾点や問題点が具体的に見えてきます。

 「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(平成16年5月21日成立、平成16年5月28日公布)」による「裁判員制度」が、まもなく実施されます(2009年(平成21年)5月に開始される予定)。

 この裁判員制度の対象となる事件には「死刑又は無期の懲役・禁錮に当たる罪に関する事件」もあります。死刑にするべきかどうか、あなたが実際に人を裁く立場となる日が、近い将来やって来るかもしれないのです。

 また、「まだまだある!マスコミによる嘘・誤報・捏造・冤罪事件」に書いたように、犯罪の加害者や被害者にいつならないとも限りません。

 これを機会に、あなたもモリのアサガオを読んで、日本の死刑制度について考えてみませんか?

 死刑反対派だった弁護士が、家族を殺されたことで死刑賛成派に寝返った有名な実例があります。笑い話のような、本当の話なのですが、日本ではこのように、死刑制度の存続については未だに議論がつき尽きず、混迷している状態です。

 モリのアサガオは、死刑を執行する側である新人刑務官が主人公が、死刑執行をされる側であるさまざまなタイプの死刑囚とかかわりながら、日本の死刑制度の問題を浮き彫りにしていく物語です。

 モリのアサガオの著者は、深津絵里さん主演でドラマ化された女性監察医の物語「きらきらひかる」の原作コミック「きらきらひかる―浪速美人監察医物語」を描いた著者と同じ、郷田マモラさん。

 きらきらひかるも、「遺体の声を聞いてあげる」という日常では絶対に脚光を浴びることのない「検死」にスポットを当てた重厚なテーマのマンガでしたが、モリのアサガオは更に重厚なテーマ「死刑とは一体何なのか?」を問いかけてきて、読んでいると息のつまりそうになります。

 テーマがものすごく重いがゆえに、いろいろなことを考えながら読むことになってしまうので、もけもけの場合は通常のマンガを読むより時間も気力も数倍かかりました。

 でも、決して読みにくいわけじゃないですよ。ストーリーは分かりやすく、テンポよく物語は展開されていきますから。

 ただ、郷田マモラさんの絵柄は独特なので、初めて読む人は面食らうかもしれません。でも読みすすめていくと、この絵柄が妙にストーリーにマッチしている気がしてくるのが不思議なんですよね。

 ストーリーについてはネタばれにならないよう深くは書きませんが、今までもけもけが知らなかった死刑制度の運営方法について詳細に描かれているので、初めて知ったことをいくつか紹介してみます。

 まず、死刑囚は死刑が執行されて初めて刑罰を受けたことになるので、死刑執行までは比較的自由に過ごせるということ。

 言われてみれば「なるほど」なんですが、懲役刑なんかと違って労働させられることはないんですね。もっとがんじがらめの厳しい生活を強いられているのかと思いきや、好きなお菓子を差し入れしてもらって食べたり、好きな本を読んだり、絵を描いたり、工作をしたりと、意外と気ままな日常を送れるようです。

 被害者遺族からすれば許せない状況に見えるんじゃないでしょうか。マンガの中でも、死刑囚官房の中でだらだら過ごし、自分の犯した罪を少しも反省していないような死刑囚が何人も出てきます。

 気ままとは言っても、死刑執行は本人にも家族にも前もって教えられないので、刑務官の近づいてくる足音に毎朝怯えることになるようではありますが……。執行の当日の朝、執行台に連れて行かれるかどうかで初めて知ることになるようです。

 死刑囚の中で死刑執行の順番が決まっていないことも初めて知りました。てっきり死刑判決が確定した順番なのかと思ってましたが、ランダムなんですね。死刑囚官房に入れられて10年以上たつ人もいれば、数ヶ月で執行される人もいたりして。

 また、反省しているかどうかにも関係なく死刑執行が行なわれることも、読んで初めて知って、やるせない気持ちになってしまいました。モリのアサガオ第2巻は、涙なくしては読めませんでした。

 日本の死刑制度の目的は、犯罪を犯す前に踏みとどまらせる犯罪抑止の働きがあること、更正の見込みがなく再犯の恐れが高い犯罪者を抹殺することで社会の秩序や安全を守ること、被害者遺族の報復感情を満たすこと、などが挙げられます。

 日本の死刑制度の最大の問題点は、死刑と無期懲役刑との隔たりがものすごく大きいこと(無期懲役刑では長くても15年、刑務所での態度がよいと平均7〜8年で社会復帰できる)、そして冤罪事件があることでしょうか。

 モリのアサガオでも冤罪問題が出てきます。

 「冤罪なんて、どうせ過去の話だろう。現代は科学捜査が発達してるから、冤罪なんか起こらないだろう」なんて思っているとしたら、大間違いです。

 いまでも時々、警察や検察による誤認逮捕や証拠の捏造などが起こっていることが、報道されることがあるじゃないですか。

 戦後に起こった殺人事件のうち、死刑確定判決から再審請求を経て無罪判決を得られた事件だけでも、ざっと挙げると以下のものがあります。

◆免田事件
1948年(昭和23年)12月30日午前3時頃事件発生。熊本県・人吉市の祈とう師、白福角蔵(当時76歳)、妻のトキエ(当時52歳)、長女(当時14歳)、次女(当時12歳)の一家4人が就寝中に、何者かに鉈(なた)でメッタ打ちにされたうえ、包丁で喉をつかれて両親が即死、娘二人も重傷を負っているのを、夜警見回りしていた次男が発見。翌年1月13日深夜、人吉警察署は同県・免田村の免田栄(当時23歳)を窃盗容疑で別件逮捕。1950年、地裁で死刑判決。1951年、高裁が控訴棄却。1952年、最高裁が上告棄却、死刑確定。第6次まで再審請求を続けた末、1980年再審開始決定。1983年無罪判決、即日釈放。
<<関連図書>>
冤罪 免田事件
人生いつも素人―弁護士尾崎陞の挑戦
検証免田事件―よみがえった死刑囚

◆財田川(さいたがわ)事件
1950年(昭和25年)2月28日事件発生。香川県財田村(現、財田町)の闇米ブローカ・杉山重雄(当時63歳)が寝巻き姿のまま惨殺された。同年4月1日、財田村の隣の神田村(現、山本町)で、強盗傷害事件が発生、この事件で逮捕されたのが、谷口繁義(当時19歳)と仲間の二人であった。1957年、最高裁が上告棄却、谷口に死刑確定。第1次再審請求棄却ののち、1976年、最高裁が再審開始決定。1984年、再審で無罪。
<<関連図書>>
死刑台からの生還―無実!財田川事件の三十三年

◆島田事件
1954年(昭和29年)3月10日事件発生。静岡県島田市の青果商・佐野さんの長女、久子ちゃん(当時6歳)が、同町の幼稚園から何者かによって連れ出された。幼稚園関係者、近所の人達が懸命に捜索するが行方が判らず、島田警察署に届けた。13日になって、大井川沿いの雑木林で久子ちゃんが絞殺されているのが発見された。5月24日、島田市で定職につかず町を徘徊していた赤堀政夫(当時25歳)を賽銭泥棒の容疑で別件逮捕。1958年、地裁が死刑判決。1960年、高裁が控訴棄却、最高裁が上告棄却、死刑確定。第4次再審請求棄却ののち、1986年、地裁が再審開始決定。1989年、地裁が無罪判決、確定。
<<関連図書>>
島田事件―死刑執行の恐怖に怯える三四年八カ月の闘い
島田事件
父・鈴木信雄―島田事件の弁護士の素顔
不在証明―島田幼女殺害事件

◆松山事件
1955年(昭和30年)10月18日午前3時30分頃事件発生。宮城県松山町の農業・小原忠兵衛(当時54歳)の自宅から出火。焼け跡から、小原、妻のよし子(当時42歳)、四女の淑子ちゃん(当時10歳)、長男の優一ちゃん(当時6歳)の4人が焼死体で発見された。警察と消防が現場検証を行い4体の死体を解剖した結果、夫・妻・四女の頭部に刀器によると思われる傷が認められた。警察は殺人・放火事件として捜査本部を設置。12月2日、犯行当日を境に地元から東京に働きに出ていた斉藤幸夫(当時24歳)を別件容疑(喧嘩による傷害容疑)で逮捕。1960年、最高裁で死刑確定。第2次再審請求を受け、1979年、地裁が再審決定。1984年、地裁が無罪判決を下した。
<<関連図書>>
検証冤罪―帝銀事件・八海事件・松山事件
炎と血の証言―松山事件の記録
最後の大冤罪「松山事件」―船越坂は何を見たか
つくられた死刑囚―再審・松山事件の全貌
松山事件―血痕は証明する
裁かれるのはだれか―松山事件

※参考サイト
こんなにある20世紀の冤罪事件
事件史探求

 上に挙げたもののほかに、再審請求中に被疑者が亡くなってしまった事件、現在も無実を訴え再審請求を行なっている事件が多々あります。なにしろ、いったん死刑が確定してしまうと無罪を勝ち取るまでに30年以上かかるケースがザラなのです。

 最初に「もけもけは単純な死刑制度賛成派」と書きましたが、死刑制度を廃止するとしたら本当の無期懲役刑を作る必要があると思うし、死刑制度を維持するなら希望に応じて被害者遺族に死刑執行ボタンを押させてやる試みを取り入れてみてはどうかと考えます。

 連続殺人者の中には「死刑になりたいから」って犯罪を犯す例がありますから、そういう犯罪者を希望どおり死刑にしてやるのは矛盾を感じます。どうせなら、死ぬまで刑務所の中で働いて、その収入で被害者遺族に賠償してあげてほしい。

 冤罪の場合、処刑されてしまったら終わりですが、生きていれば再審の可能性も残るし、残りの人生をやり直すこともできるので。死刑制度反対派の意見の多くも、冤罪事件の重要性を挙げてますからね。

 逆に死刑制度賛成派は、被害者遺族の報復感情を重要視している意見がありますが、被害者遺族に犯人の死刑執行ボタンを押させてやることで、「犯人が死刑になれば、気がすむのか」という問題をはっきりさせられるんじゃないかな。

 死刑囚に恨みのない第三者の刑務官が死刑を執行することは、いくら仕事とはいえ、とても大きな精神的負担になりますからね。ついには精神に異常をきたしてしまう刑務官がいることも、モリのアサガオで描かれています。そうした刑務官の負担も少しは減らせるんじゃないでしょうか。

 まあ、ここまで小難しく考えてみなくても、日本の死刑制度がどのようなものなのか知っておくだけでもいいんじゃないかな。

 もけもけにとっても衝撃的な本だったんで、未成年者には刺激が強いマンガかもしれないけれど、取り上げずにはいられなかったんですよね。

 死刑制度の現実について、学校で取り上げられることはまずないだろうし、日常の中では取り上げられにくい話題ですから。

 現在までの既刊は以下のとおりです。

 あなたもモリのアサガオを読んで、死刑制度や「人が人を裁くこと」の意味について考えてみませんか?

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投稿者 もけもけ : 2007年05月20日 03:53
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