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2005年04月09日

神秘なる脳〜4つの奇跡と愛の物語〜

 3月21日にテレビ東京で放送された「サイエンスロマンスペシャル神秘なる脳〜4つの奇跡と愛の物語〜」は、脳の不思議についての特集番組でした。

 不思議大好き人間のもけもけも観ましたよ〜。見逃しちゃったという人のために、内容をざっと紹介しておきますね。


◆火事場のバカ力は本当に発揮できる!

 昨年のアテネ五輪で活躍した日本のトップアスリートたちの脳を分析し、本番で実力を発揮できた秘密に迫るコーナーがありました。

 その中で興味深かったのが、ハンマー投げの室伏広治選手に代表される気合いの叫び「シャウト」というもの。

 100%筋力を使ってしまうと人間の体は壊れてしまうため、脳がストッパーの役目をして普段は80%くらいの筋力しか使えないようにしてるんだそうです。この脳のストッパーを緩めて、筋力を高めるのが「シャウトの法則」。重いものを持ち上げるときなどに「よいしょ」とつい声を出してしまうのも、このシャウトの法則の一種なのだとか。

 もけもけは昔、映画「13日の金曜日」の中で、殺人鬼ジェイソンに追い詰められた女の子が大きなブラウン管のテレビを持ち上げて放り投げるシーンに「ありえない怪力女だ〜!」と大笑いしちゃったことがあるんですが、あれがまさにこの「火事場のバカ力」を発揮したシーンだったんですね〜。

 番組の中では、ハンマー投げを「声を発しないで投げる」「声を発して投げる」実験をしていて、声を発した方が筋力がアップし飛距離が上がることを実証してました。

 この「シャウト」はリリース直後に声を発するのが一番効果的なんだそうです。ハンマー投げの室伏選手がハンマーを放した瞬間に吠えてましたよね。あの要領です。

 火事場のバカ力を発揮したい人は、お試しあれ。


◆イメージトレーニングと小脳

 そのほかに、トップアスリートが行っている訓練にイメージトレーニングがあります。イメトレ自体はよく知られた訓練法だけど、トップアスリートのそれと一般人のそれとでは脳の働きが全く違うんですね〜。

 トップアスリートのイメトレでは、実際に体を動かしていなくても脳の運動を司る部位が活発になって、体を動かしているときと同じように活動するんです。一般人では、イメージしただけでは脳は無反応です。

 シドニーオリンピックでマラソン金メダルをとった高橋直子選手は、イメトレどおりにサングラスを放り投げた瞬間に勝負は決まっていたのだとか。サングラスをはずすことでラストスパートをかけた高橋選手に対し、その投げられたサングラスに気をとられたシモン選手は集中力を欠いてしまったそうです。

 「頭が真っ白になり普段の実力を出せない」状態になりやすかった日本人選手の弱点をイメトレで克服することができるようになったことが、アテネ五輪でメダルラッシュを生んだとも言われていました。

 頭が真っ白になる状態というのは、前頭葉がパニック状態になる状態なんですね。ところがいろんなパターンをあらかじめ想定してイメージトレーニングしておくことで、前頭葉の冷静さを失わないですむようになるんだそうです。

 イメトレはスポーツだけじゃなく、仕事などいろんな場面で応用できるはず。

 このイメージトレーニングをより効果的にするのが小脳の働きを利用する方法のようです。

 いちいち意識しなくても日常的な動作をするために体を動かせるのは小脳があるからなんだって。

 自転車に乗れるようになった人が、ブランクがあいても自転車に乗れるのは小脳が自転車の乗り方を覚えてくれているからだそうです。記憶喪失になった人が箸の使い方を忘れてないのも、小脳が覚えてくれてるからなんですね。

 小脳に記憶したことは忘れないんだそうです。そして、この小脳に覚えこませるには反復練習が大切なんだとか。

 脳の中で小脳の占める比率が最も大きい動物は鳥なんだって。微妙なバランスで大空を飛ぶのに小脳が大きな役割を果たしてるんですね。


◆我々が見ている世界は脳が錯覚している世界!?

 私達は目でモノを見ているつもりですが、実際にモノを見ているのは「脳」なんだそうです。目だけではモノを見ることができないんですね。なんだかとっても不思議でしょ!?

 「見る」ということは、まず目で光を感知することから始まり、感知された光は瞳孔から網膜に届き電気信号に変換され、さらに視神経を通じて脳の視覚野に伝達されるんだそうです。

 このとき視覚野に映るのは、まだあいまいな画像にすぎないんだって。脳のさまざまな部分に情報を送りこみ、形・奥行き・色などを確定しながら映像をリアルなものに近づけ、さらに過去の記憶とてらしあわせて、映像をより具体的に補正していく仕組みなんだそうです。

 つまり、目で見ていると思っているものは、脳の中で作られたものにすぎないんですね。なんか、不思議っていうか、人体の神秘って感じですよね〜。

 目からの信号が送られてこなくても、視覚野が反応すると脳が幻覚を見せることもあるんだそうです。だから、視力がまったくないのに、自分の手が見えてしまう人もいるんだって。

 番組に出てきたエリックという男性は、左腕を切断したにもかかわらず、そのなくなったはずの左腕に激痛が走る奇病に悩まされていたそうですが、これも脳が見せる幻覚が原因。

 この「失ったはずの腕が痛い」という幻の痛みを「ファンム・ペイン」と言うそうですが、脳科学の世界的権威、カルフォルニア大学のラマ・チャンドラン博士が「脳の錯覚」を利用する不思議な治療法をあみだしたそうです。

 その治療法とは、箱と鏡を使った簡単な装置を使う方法。天板部と前面部があいた箱の中央に鏡を立て、鏡の両側にそれぞれ片手ずつ入れ、健全な方の手の側から鏡を覗き込むと鏡の中に左右対称の手が見えます(鏡に映っているのも健全な手です)。この状態で指を曲げたり伸ばしたりなど、健全な方の片手を動かすと鏡に映った左右反対の像も同じように動くので、まるで両手を同じように動かしているように見えます。動かない方の手が動いているように脳も錯覚してくれて、バランスが崩れている脳の体性感覚野が正常に戻ろうとしてくれるんですね。

 この箱、もけもけも何度かテレビで観たことがあります。脳梗塞で半身不随になった人の治療にも使われてますよね。経済人類学者・元衆議院議員の栗本慎一郎さんなんかも、確かこの方法でリハビリして社会復帰されたんじゃなかったっけ。

 簡単に自作もできそうだし、さまざまな医療分野でも利用され始めてるらしいですが、この箱を考案したのがラマ・チャンドラン博士だったとは知りませんでした。


◆驚異的な記憶力を発揮するサヴァン症候群の人々

 サヴァン症候群については以前書いた記事「記憶のチカラ〜記憶と脳のメカニズムの神秘〜」でも何人か驚異的な記憶力を持った人達を紹介してるんで、よかったらそちらも読んでみてくださいね。

 今回の番組で紹介されていたのは、脳損傷をきっかけに芸術に目覚めたアロンゾ・クレモンスさんと、17年前の映画「レインマン」のモデルとなったキム・ピークさんでした。

 アロンゾ・クレモンスさんは目で見た動物を細部まで記憶し、あっという間に彫刻にしてしまう能力を持ってます。番組中では、牧場に連れて行かれて生まれて初めて見たラマを、自宅に帰ってわずか10分程度で、精巧な粘土像を作り上げてるシーンをピックアップしてました。

 記憶力もすごいけど、その手先の器用さにもびっくりしちゃった。

 彼の脳は、フォトグラフィック・メモリー(写真のように鮮明な映像として記憶。その記憶の中から好きな一瞬を取り出せる)という能力を持ってるんですね。

 推理マンガ「探偵学園Q」に登場するメグちゃんがこの「瞬間記憶能力」を持ってますね。そうか、メグちゃんはサヴァン症候群だったのか〜!? (推理モノが好きな人は「探偵学園Q」を読んでみてね。アニメにもなってるよ。)

 キム・ピーク(54歳)さんはサヴァン症候群の中でも卓越した記憶力を持ってる「メガ・サヴァン」と呼ばれる人物です。あのダスティン・ホフマン主演の名作映画「レインマン」のモデルになって有名人になった人。

 彼は先天性の自閉症と引き替えに、100年前のカレンダーの曜日を簡単に当てたり、図書館の蔵書をまるごと記憶できるという、驚異の記憶術を生まれながらに備えているんだそうです。

 NASAが彼の脳を調べてみたところ、右脳と左脳を連絡する脳梁(のうりょう)が生まれつきまったくなく、ちょうど脳がふたつある状態だということが分かったんだそうです。

 本を読むのにも、なんと、右目は右のページ、左目は左のページを同時に読むことができるんだって。すごすぎる!!

 だけどいいことばかりじゃなくて、なんでも記憶してしまうことが苦痛になることもあるんだそうです。彼は理論的に記憶することができず、記憶したものごとに重要度の違いがないんですね。

 もけもけたち凡人は「忘れる」ことができますが、彼は逆にそれができないゆえに、嫌な記憶も鮮明に思い出してしまうのだそうです。天才には天才の悩みがあるのですね。

 記憶力を高める薬が開発されたらしいけど、嫌なことが忘れられなくなると困ったことになりそうだなぁ…。


◆芸術を生み出す脳

 モーツァルトやベートーベンなど、名作曲家の脳は聴覚を司る部分が通常の人よりかなり大きいようです。生まれつきなのか、鍛えられたものなのかわからないけれど、芸術家向きの脳になってるものなんですね。

 ここで登場したのが「共感覚(きょうかんかく)」という症例です。

 「共感覚」というのは、5感のひとつが刺激されると、もう1つの別な感覚も反応するという症状なんだそうです。もけもけはこの「共感覚」という症例を記事「不思議な『絶対音感』の世界」にコメントをつけてくださったj-tentenさんの友人のお話やyoshiinoさんのお話で初めて知ったんだよね。

 例えば音と色。音を聞くとその音階ごとに色が見える「共感覚」を持ってる人がいるんですね。もけもけには想像できない不思議で素敵な世界なんだけど、人によって同じ音でも見える色が違ったり、文字に色がついて見える人もいるらしい。

 文字に色がついて見えると、文字に埋もれたページを見ても、ある特定の文字(言葉)だけ追うなんてことができるから、速読なんかがしやすいんだそうです。うらやまし〜。

 この「共感覚」を持った人に芸術家が多いことがわかったんだそうですが、なんとこの「共感覚」は誰でも生後3ヶ月までは持っている能力なんだそうです。ということは、幼い頃の生活環境次第で、この能力を温存したり伸ばすことができるのかもしれないですね。もけもけは残念ながら失くしてしまいましたけど。

 でもおそらく、この「共感覚」も長所ばかりじゃないかもしれないんじゃないかな。上に紹介した特殊能力の持ち主たちも、絶対音感の持ち主でさえ、秀でた能力があるゆえの苦悩があるみたいですから…。

 「共感覚」については「ねこは青、子ねこは黄緑―共感覚者が自ら語る不思議な世界」という本や「共感覚者の驚くべき日常―形を味わう人、色を聴く人」という本が実例も交えて説明されていておもしろそうですよ。興味のある人はどうぞ。

ねこは青、子ねこは黄緑―共感覚者が自ら語る不思議な世界
パトリシア・リン ダフィー Patricia Lynne Duffy 石田 理恵
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おすすめ度の平均: 4
3 共感覚の事象が豊富。
5 実は私も。。。。
4 あなたと私の見ているものは「同じ」ですか?
共感覚者の驚くべき日常―形を味わう人、色を聴く人
リチャード・E. シトーウィック Richard E. Cytowic 山下 篤子
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4 人間の感覚の不思議
5 共感覚本の中で一番のお勧め
5 人生に悩むあなたへ、良いくすりになります。


 ということで、脳の不思議な話を終わります。

 実はこの記事、放送直後に一旦書き始めてたんだけど、年度末と子供たちの春休みが重なってバタバタしているうちに話題性が古くなっちゃったんで放置してたんですよね。

 でももったいないから、急いで書き加えて掲載することにしました。読んでいただけたなら嬉しいです。

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投稿者 もけもけ : 2005年04月09日 03:48
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コメント

トラックバックありがとうございます。
あの番組の内容を別の映画や本などを引用して解説されているのに感激しました。
すっごいわかりやすい文章ですね。

Posted by: 風杜 : 2005年04月10日 15:47

わかりやすいと言っていただいて嬉しいです。
最近、脳についての特番がちょこちょこあるのは、なにかブームなんでしょうかね!?

Posted by: もけもけ : 2005年07月07日 01:13

こんにちわ。
共感覚は、基本的には皮質による辺縁系の抑制によって消失していくようなので、訓練によって生後3ヶ月以降も温存するということは難しそうです。逆に、共感覚を持ったまま大人になった人は基本的に共感覚はなくならないですので、訓練によって共感覚を消すということも難しいんだと思います。そういった意味で天賦の才能と言っても良いのかもしれません。

Posted by: CAN : 2005年11月03日 21:24