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2004年09月10日

「緑星学園」潜入体験レポートと、名人戦第1局の結果速報

 山下敬吾九段をはじめ、優秀な若手プロ棋士を数多く輩出している「緑星学園」の体験レポートと、名人戦第1局の結果速報を今回はお送りします。

【名人戦第1局の結果】

 黒番:依田紀基(よだのりもと)碁聖
 白番:張栩(ちょうう)本因坊

■子どもの囲碁道場「緑星学園」潜入体験レポート

 この8月、息子と一緒に行ってきました! あの緑星学園に!

 
緑星学園の入り口で。学園の建物は普通の民家です。

 「あの」と言っても知らない方もいらっしゃるかもしれないので、まず緑星学園がどんなところか簡単に説明しますね。

 緑星学園は子どもたちのためにトップ・アマの菊池康郎さんが作られた囲碁塾です。アマチュアとはいえ、菊池康郎さんはプロ棋士にも勝てる実力があるお方です。お若い頃はプロ棋士にならないかとの誘いもあったらしいのですが、後身を育てるためにあえてアマチュアを通されているのだとか。

 囲碁のプロ棋士を目指す子たちのプロ養成を行っていることでも有名です。囲碁を打てる方なら、その名を聞かれたことがあるのではないでしょうか。

 最年少で本因坊のタイトルをとったことで話題になった山下敬吾九段のほか、現在活躍中で将来有望な若手プロ棋士の中には、この学園出身の方が多数いらっしゃいます。

 マンガ「ヒカルの碁」の中に出てきた伊角さんが通っていたという「九星会」のモデルは、たぶんこの緑星学園なんじゃないかともけもけは推測してます。

 かつては、プロ棋士を目指す子は内弟子として住みこみでプロ棋士の弟子になり修行を積むという方法が一般的だったようです(現在も実家が遠方の子は内弟子をやっているようですが)が、現在は、院生を含めてこの緑星学園を利用している子が多くなってきているみたいです。

 ちなみに今期名人戦のタイトル争いをしている両者は、依田名人が小学生のとき安藤武夫七段に入門、張本因坊が林海峰名誉天元に入門されていたそうです。

 この緑星学園に、昨夏と今年の夏、もけもけの息子が参加させてもらいました。一昨年の夏に小学5年生で囲碁を始めた息子はプロを目指すレベルではないんだけど、幸いなことに今は囲碁をやりたいやる気のある子には広く門戸を開いてくれてるんですね。遠方に住んでいる子のためにはネット碁を使った通信教育も行われています。

 息子は毎夏、東京のおじいちゃんちに遊びに行ってるので、その機会を利用して数日間だけではありますが通わせてもらいました。昨夏は3日間、今年の夏は4日間。

 短くはありますが、緑星学園は独自の指導法をとっていて、棋力だけでなく精神面や行儀作法など囲碁に対する姿勢も重視しているため、他の囲碁教室では味わえない体験ができるのです。数日間だけでも参加することによって、何か得られるものがあるんじゃないかと参加したんです。

 緑星学園の指導方法など詳しいことは、菊池康郎さんの書かれた「緑星学園―囲碁を通じて人間育成 夢とおどろき」という本に書かれていますから、興味のある方は読んでみてくださいね。

緑星学園―囲碁を通じて人間育成 夢とおどろき
菊池 康郎

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 緑星学園では、通常用いられている段級位より細かく棋力が分けられています。通常の段級位は、プロとアマとでは全く別物で、同じ段位でも雲泥の力の差があるわけですが(アマチュアの八段がプロ棋士の初段に勝てるか勝てないかぐらい?)、緑星学園では共通のランクで表されています。

 プロ棋士がランク一桁代前半、トップアマの菊池康郎さんがランク8くらいだったと思います(本「緑星学園」にランク表が載っていたのですが、本が見当たらないので、うる覚えです。すみません)。息子が昨夏参加したとき碁会所4〜5級くらいでランク32〜35、この夏は碁会所初段として参加してランク24〜27でした。

 息子は、昨夏は見学者として級位者クラス(一般的な段級位でいうと初級者〜低段者のクラス)に、この夏は聴講生として級位者クラスと有段者クラス(碁会所でいうところの高段者クラス)の両方に参加させてもらいました。院生などのもっと強い子は別室で勉強してました。

 もけもけにとってもまたとない機会なので、息子の付き添いとして見学させていただきました。ほんとは参加して対局したかったけど、子どものための塾なのでそういうわけにはいかないもんで。見学だけで我慢です。まー、子供たちの対局を見れるだけでも、級位者のもけもけには勉強になりますからね。緑星学園の独特の雰囲気も堪能させていただけたので満足です。

 息子が参加した8月は、夏休み中のため平常とは違う時間割になっているようで、級位者クラスは火・土・日曜の午前9時〜12時に行われていました(平常時の平日は、子どもたちは学校があるため夕方から)。緑星学園入門者は、まずはこのクラスから出発のようです。

 緑星学園の受講料は、ユニークな方法がとられています。1日2,500円が基本なので級位者クラスに通うとしたら1回3時間が週3回で7,500円/週となるわけですが、棋力ややる気に応じて参加時間や参加曜日を増やしてもらえるのに受講料は変わらず、なんだそうです。つまり7,500円/週が最低最高受講料ということ。強くなって参加時間が増えれば増えるほどお得になるわけです。逆にやる気のない子は、時間を減らされたり時には辞めさせられたりすることもあるそうです。

 棋力向上だけでなく囲碁に対する姿勢に重きを置いてる緑星学園らしいやり方と言えるでしょうね。棋力よりも「やる気と姿勢」重視なわけです。

 行儀作法は徹底してます。時間、挨拶、宿題(詰碁)提出などについて厳しいのはもちろん、学園ではずっと正座で碁を打ちます。なんと昼食のお弁当を食べるときも正座です!

 棋聖戦で山下敬吾九段がずっと正座を崩さずに打たれていたのを覚えてますか? プロのタイトル戦は長時間に及ぶのであぐらを組む方もいらっしゃいますが、緑星学園出身のプロ棋士さんたちはプロになってからも和室での対局は正座で通されているようです。

 この正座が息子にとっては最大の難関でした。少しでも足を崩してるとすぐに先生から叱責の声が飛んできます。この夏、息子は午後の有段者クラスへの参加も許可されたのですが、正座に我慢しきれずに最初の二日は昼に帰ってきてしまいました。

 もけもけが見学させてもらったとき、他の子はどうしてるのかと観察してみると、やっぱり足をもぞもぞさせて我慢してるっぽかったです。緑星学園に通ってるからって、みんなが正座に慣れてるわけじゃなさそう。息子は後半の二日は頑張って、足が痛くなったらトイレに行って、屈伸運動して乗り切ったそうです。

 もけもけは付き添い見学なんで足を崩してもよかったんですが、息子や他の子どもたちが頑張っている手前、堂々と足を崩してるわけにもいかず、なるべく正座で頑張りました。小学生の頃「琴」を習ってたから何時間でも正座できるようになってたんですが、それから20数年以上たってますからね…。緑星学園での正座、辛かったです。座布団も使わないし。

 他にも、考えながら碁笥に手を入れてジャラジャラやってると叱られるのはもちろん、対局開始の挨拶や終局の合意確認もきちんとするよう指導されていました。

 もけもけが礼儀正しいなぁと驚いたのは、碁盤に打ち下ろした碁石を指を離さず引っ込める打ち直しのとき。ちゃんと「失礼しました」と相手に謝罪していました。これを読んでいるあなた、「耳が痛い」と思ったのでは!?

 緑星学園では、子どもが学園に着いたら出席ノートに時間と名前を記入し、各自30秒の瞑想をします。始まる時間まで時間があいてたら、詰碁の勉強をしたり、棋譜並べをしたりして過ごしてました。もちろん、その間も正座ですよ。

 朝9時の開始時刻になると、先生が組み合わせを決めて、子供同士でひたすら対局! 無駄口はほとんど開きません。シーンとして、碁石を打ち下ろす音だけが響く、ピリピリとした雰囲気は、他の子ども囲碁教室ではまず味わえない緊張感。

 対局を始めるときは、碁盤をはさんで両者ともに瞑想をします。そして「はじめましょう」と挨拶をして対局を始めます。一局終わるごとに、先生が用意した成績表に勝敗や目数を自分で書き入れます。

 この成績表に基づいて、ランクが上下するようです。時間の終わりは先生の前にみんな集まって、先生からその日の成績発表が一人ずつされます。勝ち数に応じてみんなが拍手をしてあげます。拍手の回数も先生が言います。

 息子は昨夏は全勝したことがあり、たくさん拍手をもらえて喜んでいました。今年の夏も一等賞をもらえた日があって、拍手をたくさんもらえたそうです。

 最後に宿題の問題をもらったり、月謝袋をもらったりして解散。帰るときに、また出席ノートに退出時刻を自分で書き入れます。

 夏休み中の級位者クラス、有段者クラスはこんな感じでした。クラスを受け持つ先生は、プロ棋士の鶴丸敬一七段(日本棋院)が担当してらっしゃいます。院生などのもっと強い子たちは、別室の広めの洋間で黙々と対局や棋書を読んでの勉強をしていました。

 この夏の息子の戦績は、初日がランク27で5勝1敗、二日目にはランク24に上げてもらえていて4勝2敗だったそうです。このときもけもけはまだ東京入りしていなかったため、おじいちゃんに緑星学園まで連れてってもらったそうです。昨夏息子が3子を置いて対局した子とまた当たり、今年は相手に2子置かせて勝てたと、はずんだ声で息子からTEL連絡がありました。

 二日目までは、正座の辛さに絶えられず午前中だけで帰ってきていた息子でしたが、三日目からは覚悟を決めて午後の高段者の部にも参加させてもらうことに。

 もけもけは、三日目だけ、付き添いで付いていき、先生の許可をもらって最後まで見学させてもらいました。この日はなぜか、午後の部は二時で終わりだったので、それくらいなら息子ももけもけも我慢できそうだったので。

 この日は高段者の子たちも午前中から来ていて、級位者クラスと同じ部屋で一緒に対局してました。昼になると午前中の成績発表がされ、級位者クラスの子たちは帰りました。残った有段者クラスの子達と、もけもけと息子も一緒にお弁当を食べることに。昼食は対局していたのと同じ部屋で、碁盤を片付けゴザを敷き、卓袱台を出してみんなで「いただきまーす」。準備や後片付けは子供たちがやっていました。

 息子の対局成績は午前中は4勝2敗でしたけど、その2敗はどちらも上手の子が相手の碁。下手相手には強く、上手相手には弱いとなると、やはり打ち方や考え方に問題がありそうです。

 午後の有段者クラスでは、ランク24の息子が一番下で、その上の子はランク22、もっと上の方の子はランク13とか11とか。いかにも強そう。案の定、午後に打った三局とも、息子は完敗してしまいました。

 上手に対して連敗して、ちょっぴりショボーン気味だった息子。でも、4日目までに、もけもけは対策を用意していたのです! 一昨年知り合いになったプロ棋士さんに指導碁をお願いしてあったのです。

 このプロ棋士さんには昨夏も指導碁を打っていただいて、13子の置き碁で勝てるかどうかって具合でした。今年の夏までに「僕と9子で対局できるように頑張って」と言われていたのですが、この一年、初段の壁にぶちあたって棋力の伸びが悪かった息子は結局11子で打っていただくことに。それでも玉砕しちゃったんですけどね。

 「指導碁だからって、手抜きはしないよ。どんな対局でもボクは真剣に打ちますから」とおっしゃっていたとおりです。普段の囲碁イベントなどでの指導碁では、プロに11子も置くなんてことはないですし、もっと少ない置石で勝たせてもらえますからね。だから、手抜きなしのこういう指導碁は、とても貴重な体験だったと思います。

 プロ棋士さんから頂いたたくさんのアドバイスを頭にいれ、緑星学園4日目に挑んだ息子。この4日目は朝9時から夕方5時までフルに参加させてもらい、戦績は午前の部4勝2敗、午後の部が5勝1敗。高段者の上手の子たちにも連勝で、「プロ棋士さんのアドバイスに気をつけて打ったら勝てた」と、にこにこ顔で帰ってきました。恐るべし、プロのアドバイスの威力よ!

 この日は、午前中は級位者クラスだけ、午後は有段者クラスだけがあったそうで、朝から夕方まで一日通して参加したのは息子だけだったとか。高段者の子に「頑張るね」と声をかけてもらえたそうです。正座にも慣れてきて、午後に少し足が痛くなった程度だったそうです。

 息子よ、よく頑張ったね! 最終日には一等賞をもらうことができて、気持ちよく緑星学園をあとにすることができました。

 残念ながら、緑星学園での対局風景は、とてもじゃないけど写真を撮れるような雰囲気ではなかったため1枚も写真は撮っていません。なので、みなさんにお見せできる写真はないのですが、文章だけで雰囲気が伝わったでしょうか?

 こう読むと、緑星学園って多くのプロ棋士を輩出している名門だけあって厳しいところなんだなぁと思われるかもしれませんが(まあ、実際、厳しいんですけど)、そこはやっぱり子どものこと、楽しんで打っているようでした。

 よく観察して見ていると、ヒソヒソ話をしたり、正座の足が痛くてもじもじ…なんて場面も。昼食中はみんな仲良く話をしながら食べてましたし、中には不真面目な様子で先生から「やる気がないなら帰りなさい」と叱られて本当にそのまま帰ってしまった子など、いろんな子たちがいました。息子も帰りが一緒になった子と、なぜかヤドカリの話で盛り上がったんだとか。ヤドカリを飼ってる子だったらしい。

 雰囲気や指導法が合わずに緑星学園をやめる子もいるんだとは思います。昨年伺ったときのお話では、態度や姿勢の悪い子、14歳までに5段の壁を突破できない子は退園させられるそうなんで、確かに厳しい学園ではあります。でも、続けて通っている子たちは本当に囲碁が好きな子たちなんだなぁと、見ていて感じました。

 緑星学園ではプロ棋士が指導してくださいますから、時間切れの勝敗決めの判断や、難しいセキの形の判断なんかも安心です。もけもけが見学していたとき、高段者同士の対局で、対局者は「セキ」と気がついてなかったものを、先生が「そこはセキだよ」と教えていた対局が二局ありました。どちらの対局も、セキに気がつかず石が死んだと悲観した子が投了した碁でした。高段者でもセキを見損じることがあるんだなぁと驚いた場面でした。

 とまあ、こんな感じで緑星学園では巷の子ども囲碁教室では味わえない体験ができました。来夏も、できたら息子を通わせてやりたいと思います。

 緑星学園では、遠方のため通えない子にはGO-NETを利用した通信教育をされてますし、お盆前には毎年泊りがけで(2泊3日か3泊4日くらいだったと思います)軽井沢での囲碁合宿も催されています。この囲碁合宿には学園生ではない子も参加できるそうです。

 興味ある子は参加されてみてはいかがですか。もけもけの息子のように短期間だけ通園させてもらうだけでも、得るものはあると思いますよ。

 最後になりましたが、菊池康郎先生をはじめ緑星学園の先生方、子供たち、そして息子によきアドバイスをくださったプロ棋士さん、大変お世話になりました! また来年もよろしくお願いします!

 さて、プロ棋戦速報に話を移しましょう。

 昨日、今日と二日かけて行われた名人戦七番勝負第1局は、午後6時40分、242手までで黒番の依田名人が半目勝ちしました!

 今期名人戦の組み合わせは、本因坊戦で激突したお二人。本因坊戦では依田名人が追う者、張本因坊が追われる者でしたが、名人戦では立場が逆になっています。おもしろい組み合わせです。

 本因坊戦では依田名人が終盤に時間がなくなりミスが出て敗れましたが、名人戦ではどういう作戦を立てられているのか興味のあるところです。布石は依田名人、ヨセは挑戦者の張本因坊に分がありそうだと予想されていますから、そこが観戦のポイントにもなりますね。

 総合力では互角のお二方なので、これからも熱戦が予想されます。みなさんも注目して応援してあげましょー!

 名人戦第1局の棋譜や対局状況などの詳しい情報は、朝日新聞ホームページを参考にしてくださいね。

 名人戦第2局は9月23日(木)、24日(金)に行われる予定です。

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投稿者 もけもけ : 2004年09月10日 21:44
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コメント

いつも,トラックバックありがとうございます。
挑戦者の張本因坊,白2 は気合の1手でしたね。
途中,黒番の依田名人に失着があって一気に決まるかと思ったら,最後は依田名人が競り勝ちました。
さすがに5連覇を目指す依田名人しぶといです。

Posted by: トニイ : 2004年09月11日 08:39

トニイさん、こちらこそ毎度どうもです!
依田名人、まずは一勝でホッとしました。本因坊戦はかなわなかったので、名人戦では頑張ってもらいたいと思ってます。
依田名人には、名人の風格と実力があると思うので。変人だということは、ひとまずおいておいて(笑)。

Posted by: もけもけ : 2004年09月11日 13:23

初めまして、もけもけ様。
いつも、楽しんでコラムを読ませて頂いている美雪と申します。
名人戦について書かれてあったのでトラックバックさせて頂きました。

Posted by: 美雪 : 2004年09月14日 02:31

美雪さん、トラバとコメントありがとうございます!
美雪さんのblog読ませてもらいました。
囲碁を始めてまだ1ヶ月というのに、棋譜並べの勉強をちゃんとされててエライ!
もけもけなんて、最近は碁会所レッスンでくらいしか打ってないし、詰碁や棋譜並べは…。
もたもたしてたら、美雪さんにすぐに追い越されちゃいそうです。

Posted by: もけもけ : 2004年09月14日 23:39
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