第49回本因坊秀策囲碁まつり参加レポートと、碁聖戦第3局の結果速報
囲碁ファンなら誰でも知っている「本因坊秀策」生誕の地・因島(いんのしま・広島県)での囲碁の大イベント「第49回本因坊秀策囲碁まつり」に行ってきました! 今回は囲碁まつりの詳細を写真付きでお伝えします!
【碁聖戦第3局の結果】
黒番:依田紀基碁聖
白番:山田規三生八段
■第49回本因坊秀策囲碁まつり参加レポート
先々週に本因坊戦は終わっていたし、この記事でもう一つお伝えする「碁聖戦」とは何の関係もないじゃないか…と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが(もけもけも、最初そう思った)、共通点がありました。「碁聖」つながりです。
「本因坊秀策」は、その才能と経歴から「碁聖」と崇められているんですね。昨年は、広島の「名誉市民」に、今年は日本棋院に11月オープン予定の「囲碁殿堂資料館」に殿堂入りが決定しています。
囲碁ファンでなくても、マンガ「ヒカルの碁」を読んだりアニメで見たことがある人は、本因坊秀策ってすごい人だったんだなーってことはご存知ですよね。マンガの中では、「藤原佐為(ふじわらのさい)」という平安時代の囲碁の天才が秀策を操っていたように描かれていましたが、本当の秀策はこんな人物↓だったそうです。
少し長いですが、「囲碁のまちづくり推進協議会ホームページ」から引用させてもらいます。
本因坊秀策は桑原輪三と母カメの次男として、文政12年(1829年)に因島市外浦町に生まれました。
幼名を虎次郎といい、3、4歳の時、碁石をやればすぐに泣き止み、黒白を並べて遊んだといわれます。母に囲碁を教えられたのが5歳で、6歳のときには近郷に敵が無く、7歳のとき三原城主浅野公と対局してその棋力を認められ、竹原の宝泉寺住職葆真和尚に師事しました。その技の巧妙さに人々は驚き神童といいました。
9歳の冬に浅野公のすすめにより江戸へ行き、本因坊家に入り本因坊丈和の弟子になりました。11歳で初段の免許を得て翌年帰国、浅野公より5人扶持を賜り、15歳で4段の免許を得、名を秀策と改めました。17歳のときには12人扶持に増禄され、18歳の時大阪で幻庵因硯と対局し、世に言う「耳赤の妙手」で有名です。
20歳で第14世本因坊跡目になり、丈和の娘花と結婚しました。
21歳で御城碁に初出仕しましたが、この時から13年間御城碁において19連勝で負けることがありませんでした。
しかし、34歳という若さで他界してしまいました。
一方、秀策は碁に秀でていただけでなく、晩年、当時の書家竹雪道人について書を学び、師の筆跡と判別できないほど上手だったといわれます。書の多くは世に伝えられていないものの、石谷広策に与えた囲碁十訣や碁盤に記した「慎始克終、視明無惑」また、父母に送った手紙等が残っています。
秀策の布石は秀策流といい、今日の対局にも見ることがあります。また、秀策の棋譜を並べると段が上がると言われるほどで、高段者は一度は並べたことがあるそうです。
秀策はその棋力と人格により「碁聖」と呼ばれていますが、これまでの多くの棋士の中で「碁聖」と崇められるのは、第4世本因坊の「道策」と「秀策」の2人だけで、その偉大さがわかります。
秀策の遺品は外浦の生家跡の秀策記念館に多く保管されており、囲碁愛好家が親しみをもって訪れています。(「本因坊秀策伝」より)
「本因坊秀策伝」のページには、秀策にまつわる逸話の数々も紹介されてます。興味のある人は読んでみましょー!
この秀策の生誕地・因島は、現在では「囲碁のまち」と称されています。因島市では囲碁は「市技」として制定されていて、囲碁という伝統文化を永く後生に引き継いでいこうと様々な取り組みがなされています。その一つが、7月24〜25日に開催された「本因坊秀策囲碁まつり」で、県内外から囲碁ファンが集う、大きな囲碁の祭典です。年に2回、1月末と7月末頃、開催されます。
もけもけが参加したのは、今回で二度目。昨夏の第47回目のとき、息子が通っていた「ヒカルの碁スクール」卒業旅行で連れて行ってもらいましたが、そのときは息子のただの付き添いとして参加。今回は同じく「ヒカルの碁スクール」囲碁夏合宿として一泊二日のバス旅行が企画され、息子と一緒に参加しました。
二日とも参加するのも初めて、もけもけがエントリーさせてもらったのも初めて、さらに前夜祭の懇親会に参加したのも初めてと、初体験づくしのオンパレード! 子どもみたいに楽しんで囲碁を堪能してきた二日間でした。
「本因坊秀策囲碁まつり」の主な内容は「前夜祭」「クラス別競技大会」「本因坊秀策杯(因島オープン・プロVSアマ戦)」。「前夜祭」では指導碁と懇親会、「クラス別競技大会」は棋力別に別れて勝ち数を争う囲碁大会、「本因坊秀策杯」は優勝賞金100万円を賭けてプロ棋士とアマチュア棋士が凌ぎをけずるリーグ戦と大盤解説会がありました。
大会二日間を、順を追ってレポートしてみますね! 写真はクリックすると拡大して見ることができますよ。
■しまなみ街道を通って因島へ
岡山の「ヒカルの碁スクール」を開催している「ひがし岡山囲碁サロン」から、チャーターされた観光バスに乗って一路因島へ出発したのが午前9時すぎ。子供たち、保護者、ヒカ碁スクールのボランティアスタッフの総勢36名で出陣しました。ボランティアスタッフの大半は大学生さんたちです。
子どもの参加定員は30名だったんだけど、思ってたより参加希望者が少なかったみたい。スタッフの方が人数多かったような…。泊りがけの旅行だったからなのかな? こんなおいしい企画はまたとないのに、ああ、もったいない!
写真は「しまなみ街道」上から撮った瀬戸内海です。車内からガラスごしに撮ったので曇ってるように見えるけれど、ほんとはピーカンの晴天だったんですよ。
■秀策記念館とお墓まいり
昼前に因島に到着して最初に向かったのは、「本因坊秀策記念碑」がある「石切風切宮」という神社。秀策生誕の地、因島市外浦町にあります。
大正15年秋、死後50年を記念し、当時の島内7カ町村長の発起により建てられたという顕彰碑。碑は碁盤型の台座に建っていて、お参りすれば半目強くなるとの謂われがあるそうです。ってことは、昨夏と合わせて二回お参りしたもけもけは一目強くなった!?
秀策の遺品などが展示された「秀策記念館」も、同敷地内の少し奥まったところにあります。外見は普通の民家みたいなので、初めての人は気づきにくいかも?
秀策記念館の玄関を入ったところには、大きな扇と書が飾られてます。息子の後ろに写っている、佐為とヒカルが地球温暖化を警告するポースターは、町のあちこちで見かけました。
ガラスケースの中には、たくさんの遺品が陳列されてます。秀策直筆の書は、字がうまい! 達筆すぎて、もけもけには読めません。そういえば、佐為がヒカルの字を見て、秀策は上手かったって言ってましたね。もっともなご意見です。
来館した人の芳名帳には、ところどころに有名な囲碁棋士たちの記名も! マスコミ関係者も多く訪れているようです。もちろん、日本全国から来た囲碁ファンの記帳も数多くありました。昨夏来たときは子どもたちが多かったため、順番待ちがすごくて記帳できなかったんですが、今回はもけもけも記帳できました。
記念館では、秀策の扇子、お守りなどの秀策グッズ(?)も売られています。いずれも棋力アップのご利益があるそう。息子には奮発して、扇子を買ってやりました。ところが…! 翌日のクラス別競技大会中に、この扇子を紛失してしまった息子。結局、秀策扇子を堪能できたのは一晩かぎり、この写真に残像が残っているだけです(号泣)。楽しかったこの旅行の中で、唯一悲しかった出来事でした。
秀策記念館から歩いて10分くらいにある山の斜面に、本因坊秀策のお墓があります。お墓参りも二回目ですが、ここに来ると必ず叫びたくなっちゃうんですよね。ヒカ碁ファンなら想像がつきそうなことです(笑)。
お墓までの道中、あちこちの民家の庭先にあった八朔の木です。まだ青いけれど、熟れたらおいしそうな八朔が、たくさん実っていました。思わずパチリ。八朔は因島名物らしい。
甲子園の高校野球じゃないけど、ここいらで因島の紹介もしておきましょう。BGMは高校紹介の曲が流れているつもりでどうぞ。
因島市は、広島県の東南部、瀬戸内海のほぼ中央に位置する全国でも珍しい一島一市の島の都市です。 歌人吉井勇が「白滝の山に登れば眼路広し 島あれば海 海あれば島」と歌っているように、島の多い瀬戸内海の中でも多島美を誇り、風光明媚な自然に恵まれています。 古くから内海交通の一角を占め、室町時代から戦国時代にかけて村上水軍の本拠地であったことから、海と船に関する長い伝統を有し「造船とみかんのまち」として繁栄してきましたが、基幹産業である造船業の構造的不況により、ピーク時には4万人を越えていた人口も約3万人となっています。(「囲碁のまち いんのしま」より)
因島も過疎化が進んでいる様子。囲碁ファンなら一度は因島を訪れて、観光産業に貢献しましょう! 「囲碁のまち」ならではの、囲碁ファンを喜ばせるサービスもありますから(後述します)。
ごらんのとおり、たくさんのお墓に囲まれた中に、本因坊秀策のお墓はあります。いちおう案内板があちこちにあるけれど、初めての人は見つけるのが大変かもしれませんね。
マンガ「ヒカルの碁」の中で、東京からはるばる因島まで行って、佐為を捜し求めて秀策ゆかりの地を回るヒカルを思い出します。そう、ここに来たら思わず叫びたくなる言葉は「佐為〜! 隠れてないで出ておいで〜!」。
■指導碁と前夜祭
参拝を終えたあとは、13時半から始まる「プロ棋士による指導碁」参加会場の因島市民会館へ移動しました。
指導碁を行ってくださった棋士たちは、以下の方たちです。
結城 聡 九段(関西棋院プロ)
倉橋 正行 九段(関西棋院プロ)
青木 紳一 九段(日本棋院プロ)
石田 篤司 九段(日本棋院プロ)
金野 為人 七段(関西棋院プロ)
久保 秀夫 五段(日本棋院プロ)
荒木 一成 五段(日本棋院プロ)
但馬 慎吾 初段(日本棋院プロ)
向井 千瑛 初段(日本棋院プロ)
徳永 紗月 6段(広島県アマチュア)
翌日のメインイベント本因坊秀策杯「因島オープン・プロVSアマ戦」に出場される棋士の方たちです。石田九段は大盤解説者として、徳永アマは聞き手として、他の8名がオープン戦に選手として参加されました。
関西棋院では実力No.1の結城九段はNHK杯でもおなじみで、ご存知の方も多いはず。このメンバーの中で、もけもけが知ってたのも結城九段だけでした(他の方、ごめんなさい。プロ棋戦速報をしながらも、あまりプロ界のことは詳しくないんですよ〜)。
石田九段は前回の本因坊秀策杯優勝者です。徳永アマは、徳永汎久八段(関西棋院)のお嬢さんだそうで、13〜16年度女流アマ選手権広島県代表、美人でチャーミングなお人でした。もけもけはこの方に指導碁していただきました。
あと、向井初段には「お会いしたことないはずなのに、名前とお顔に見覚えがあるのはどうしてなんだろ?」と首をかしげていたところ、あとで懇親会場で「ハッ!」と気がつきました。今年のNHK新春お好み囲碁対局で三村九段と対局してらした、向井アマの妹さんだったんですね。どうりで見覚えがあるわけだと、納得。そういえば、お好み対局の中で、妹さんが院生でプロ試験を受けているお話もされてましたね。記憶が一本の線でつながり一安心した上に、この方に息子が指導碁を打っていただいたこともあり、親近感が沸いてしまいました。これからのご活躍、お祈りします!
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| 指導碁中の結城九段。 | 同じく倉橋九段。 |
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| 同じく青木九段。 | 同じく石田九段。 |
指導碁も前夜祭に付属のイベントなので、さぞや大勢の人が集まって会場内はごった返していることだろうと思っていたら、それほどでもありませんでした。ちょっと拍子抜けだったかな。でも、もけもけはエントリーされていたのでドッキドキでした。
指導碁は、各棋士の4〜5面打ちで、13時半〜15時、15時半〜17時の二回行われていました。もけもけと息子は一回目に参加。息子(初段)は向井初段に9子で6目勝てたそうです。もけもけも指導碁受講中だったので、息子の碁がどんな内容だったのかは見れませんでしたが、まずまずの内容だったようです。
もけもけ(4級)も徳永アマに9子置きで挑戦しました。時間がなくなったので最後まで打ち切ることはできませんでしたが、あとはヨセが残ってるくらいで中盤戦がほぼ終了という段階で終わりました。我ながら完勝に近い碁でした。盤面を写真に撮ってないから、棋譜を再現できないのが残念! 黒からの先手大ヨセが3箇所くらい残っていて、どこから打つのがいいか教えていただきました。「お強いですね」と評されてニンマリ。
指導碁風景では、やはり一番人気の結城九段にギャラリーがたくさん付いていました。でも、結城九段、見るからに不機嫌そうに打たれてたんですよね。暑さにバテられていたのか、たまたまだったのか、そういうお人柄なのか? わがヒカ碁スクール内で最強の男の子(中学2年で五段の腕前)が指導碁してもらってましたが、あとでその子に感想を聞いてみると「怖かった」って言ってました(笑)。懇親会やオープン戦でのインタビュー時にはニコヤカにされていたので、シャイな方なのかもしれませんね。
指導碁が全部終わって、夕方、宿泊先の「いんのしまロッジ」にバスで移動。部屋割り決定後、一旦、荷物を置いて夜の懇親会へと向かいました。
前夜祭の懇親会に参加するのは、もけもけにとって生まれて初めての出来事です。人数が限られるため、われわれヒカ碁スクール一行36名のうち、11名だけ参加しました(子ども7名、保護者3名、スタッフ1名)。もけもけと息子もその中に入れてくださっていて、残りの人たちはロッジで居残り組でした。なんだか申し訳ない気分でしたが、懇親会に出席できるのも滅多にない機会なので、ありがたく参加させてもらいました。
料理をメインに撮ってしまいました(笑)。子供たちはプロ棋士との懇親会であることを分かっているのかいないのか、ご馳走の方に興奮していました。まあ、食べ盛りですし、昼食は時間がなくて持参のオニギリをバスの中でパクついただけでしたから、お腹がすいていたのもあったのでしょう。
懇親会では、前述した日本棋院の「囲碁殿堂資料館」に本因坊秀策が殿堂入りしたのを記念して、桑原家の末裔の方に石田九段が代表して花束贈呈があったり、翌日行われる「本因坊秀策杯プロVSアマ戦」の出場者を紹介、組み合わせ抽選会、参加者各自の意気込みを語っていただいたりと楽しい雰囲気で進んでいきました。
このとき、大会組み合わせをメモっておけばよかった! 「囲碁のまちづくり推進協議会ホームページ」に大会結果が掲載されるだろうと見込んでいたのですが、大会の詳細ページは第47回分までしか掲載されていませんでした。そのうち更新してもらえるのかしら?
参加プロ棋士はもちろんですが、アマチュア参加者の中で注目株は現役高校生で県代表の腕前の男の子(お名前を失念しちゃいました。ごめんなさい!)。地元囲碁ファンからも声援を受け、これからが楽しみの有望株なんだそうです。「プロ棋士に一勝でもできたら」と期待が大きかったのですが、はたしてその結果は…!? 彼は地元の囲碁ファンに連れられて、もけもけたちのテーブルにも挨拶に来てくれました。ひょうきんそうで明るい好青年でしたよ。
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青木紳一九段 (日本棋院)と。 |
荒木一成五段 (日本棋院)と。 |
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但馬慎吾初段 (日本棋院)と。 |
向井千瑛初段 (日本棋院)と。 |
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倉橋正行九段 (関西棋院)と。 |
金野為人七段 (関西棋院)と。 |
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結城聡九段 (関西棋院)と。 |
懇親会でプロ棋士にサインをおねだりするのはマナー違反なのかどうか分かりませんが、指導碁のときには時間がなかったのと、子供たちのおねだり無礼講ということでお願いしてみました。
まさか懇親会に参加できるとは思ってなかったし、サインしてもらえる余裕なんかないと思っていたので、紙もペンも持って行ってなかったから、急遽、懇親会場で配られた封筒の裏にサインしてもらうことに。ペンは一緒に参加していた保護者さんから借りました。
子供達がサインしてもらっているのに便乗して、扇子にサインしてもらってるおじさまもいらっしゃいました(笑)。
サインや写真を撮ってるうちに懇親会終了時間になってしまったので、全員の方に書いてもらうことはできませんでしたが、快く応じてくださったプロ棋士のみなさんに感謝です!
懇親会の締めは、「えいえいおー!」の掛け声で、翌日の秀策杯とクラス別競技会の試合に備えて、全員で気合を入れて終わりました。
■いんのしまロッジと花火大会
宿泊先の「いんのしまロッジ」は、とてもよいところでしたよ。大人数での宿泊なので、雑魚寝になるんじゃないかと心配していましたが、一部屋数人ずつに分かれて宿泊。もけもけは息子と二人部屋でした。
2階には、囲碁の碁盤セットがある「プレイルーム」がありました。因島ならではの、宿泊客へのサービスですね。「磁石碁盤セットを持って来ればよかった」という杞憂は吹き飛びました。暇があれば、このプレイルームにみんな集まっていたようです。もけもけも入浴後、強い子にお相手してもらって満足。碁は9子置かせてもらってボロ負けだったけど(笑)。
その他に、因島には「碁ランティア」というのがあるのをご存知ですか? 碁ランティアとは、囲碁協会のボランティアさんで、市内宿泊者の希望に応じて出張対局してくれる人たちです。希望を言えば、自分の棋力にみあった碁ランティアを派遣してもらえるそうです。最近では、これを目的に因島を訪れる人も多いんだそう。「囲碁のまち」ならではの嬉しいサービスですね。
宿泊した夜は因島花火大会もあって、ロッジから鑑賞することができました。これがそのときの写真です。ロッジは見晴らしのいい山の上だったので、きれいな花火がよく見えました。この日に花火大会があるのを知らなかった他の宿泊客さんたちも、「泊まっててラッキー」と大喜びしてました。
宿泊先の民営国民宿舎「いんのしまロッジ」。
みなさんも、囲碁のまち因島へ行かれてみてはいかがですか? 囲碁ファンや、ヒカ碁ファンなら、一生に一度は行ってもらいたい町です。
■クラス別競技会
旅行二日目は、本因坊秀策囲碁まつりのメインイベント「クラス別競技会」と「本因坊秀策杯」です。
こどもたちは前夜、興奮したり友達と遊んだりで、寝不足になった子も多かったみたい(スタッフも?)。もけもけの息子も午前3時まで起きてたらしい(ちなみに起床時間は6時でした)。をいをい、そんなで今日の囲碁大会、実力発揮できるのか?
会場である「因島市民会館」で、午前9時から開会式が大ホールで行われました。今回のクラス別競技会参加者は、約300名だったそうです。広島、岡山からの参加者が多いのですが、秀策ゆかりの地での有名で大きな囲碁大会なので、北海道や東京など、遠方からの参加者も毎年いるようです。
クラス別競技会は、級位者がひとまとめになった級位者クラス、有段者は初段から六段まで各段位ごとにクラスが分かれていました。もけもけは4級なので級位者クラス、息子は初段クラスでエントリーです。競技会には、付き添いできていたボランティアスタッフの大学生さんたちも全員参加しました。
因島オープン・プロVSアマ戦である本因坊秀策杯は、優勝賞金100万円、準優勝賞金30万円、プロ棋士8名・アマ棋士8名によるトーナメント戦です。第一回戦は、必ずプロVSアマになるように組み合わされています。
参加プロ棋士も募集制で、毎年多くのプロ棋士が参加申込みしているそうです。アマにとってもこの秀策杯に参加できるのは名誉なことですが、プロも参加したがってる人が多いんですね。知り合いのプロ棋士さんに伺った話では、参加プロ棋士も交通費等、自腹なんだそうです。「お招きされて」参加するのではなく、アマチュアと同じ条件でエントリーするんですね。
この秀策杯は、誰でも観戦できます。昨年、羽根天元が参加された回はもけもけも観戦しました。シーンと静まり返った対局会場で、真剣勝負がされていて、見ていたもけもけも緊張してしまったほど。今回もけもけはクラス別競技会に参加していたので、決勝戦しか見れませんでした。
決勝戦は、開会式と同じ大ホールにて、大盤解説付きで観戦できました(詳細は後述します)。さて、この優勝カップを手にするのは誰でしょう? 開会式前に、地元からのアマチュア参加者で期待されていた高校生の男の子に会ったので「優勝目指して頑張ってくださいね!まずはプロに一勝ですよ!」と声をかけると、はにかんでいました。はたして高校生くんの健闘はいかに!?
午前9時半から、クラス別競技会の始まりです。写真は、級位者クラス〜二段クラスの会場内。三段〜六段クラスは別棟で行われました。試合形式はスイス方式での四回戦マッチ。ただし、同順位者多数のときには、1〜3回戦の成績で減点する方式だそうで、この大会独自方式だそうです。
もけもけの一回戦目のお相手は、東京からはるばる参加しに来たという中学生くらいの男の子でした。4級同士だったので、互い戦です。いつも上手と置き碁でしか打っていないもけもけにとっては久しぶりの互い戦だったので、布石からドキドキ。最初が肝心と、初戦に気合入れてたもんで。この碁は50目以上の大差で完勝できました。幸先のいいスタートです。遠方からきた中学生くんはシュンとなっていてちょっとかわいそうでしたが、盤上の勝負は真剣勝負だから仕方ないよね。
二回戦目は、なんと昨年、息子がこの競技会で負けた、おばさまでした! 昨年の息子は確か5級で参加し、このおばさまと互い戦で戦いました。息子は風邪をこじらせて咳が激しい状態をおしての参加(マスクをしての参戦)で、背中を丸めてゴホゴホ咳き込みながら対局していた息子に対し、このおばさまは堂々とした風体で、早碁の息子相手にじっくり長考しながら打たれていた姿をよく覚えています。前夜の懇親会にも参加されていました(しかもドレスを着ていて目立ってた!)。よほど囲碁がお好きなんでしょうね。
このおばさま、昨年は5級で全勝だったそうで「全勝したら1級あげることにしてるの」ということで、今回は4級で参加されたそうです。ということは、もけもけとも互い戦で対決です。「これは何かの因縁か!? 昨年の息子の雪辱を果たさねば!」そう決意して、おばさまとの勝負に挑みました。けれど、このおばさま、強かった! 中盤に、もけもけの中央の黒の大石が攻められて、なんとかシノいだものの、その間に相手の周りの地が固まり、あとに狙おうと思っていた味も消えてしまい、敗勢になってしまいました。結局、一矢報いることはできませんでした。無念なり。
三回戦目は6級のおじいさん。置かせ碁も、いままで大会で数えるくらいの回数しか打ったことがないので緊張してしまいました。途中から、ギャラリーが数人付いちゃって、余計に緊張。でもこのおじいさんに対しては狙いがことごとく決まって、中押し勝ちの完勝でした。実は中盤戦の終わり、包囲した黒の大石の一部が逃げ出せる手が生じて「しまった!」と肝を冷やした場面もあったのです。でも、おじいさんはそれに気づかなかったので、ガッチリ仕留めることができました。
四回戦目は2級のおじさまと。このお方も強かった。もけもけの抵抗むなしく、あえなく投了。対戦成績は、結局2勝2敗となりました。
息子の方はどうなったかというと、1勝3敗の成績だったらしい。しかも最後の1勝はヘボ相手だったので勝っても嬉しくない碁だったそうです。息子が初段でなかなかいい成績を収められないのには、初段クラスが大会では一番激戦区という要因があるからかもしれません。大きな大会になればなるほど、入賞狙いで段級位を数ランク落として参加する人が多いらしいです。
高段になればそうでもないらしいのですが、二〜三段の人が初段でエントリーし、本当の初段は級位者としてエントリーするケースが多いそう。そんなわけで、初段クラスで初段の人が入賞を目指すのは難しいんだそうで、これがいわゆる「初段の壁」と言われる原因の一つなのかもしれませんね。
実際、この大会では毎年8級で参加して、自分が負かした上手相手に指導碁をする名物おじいさんがいました。昨年も8級で参加していたそうで、5級で参加した男の子をコテンパンに打ち負かし「こんなので5級?」とばかにしていたそうです。その相手だった男の子は今年1級で参加したのですが、昨年のことを悔しがっていました。
まあ、そのおじいさんは特殊ケースではありますが、初段戦でなかなか勝てなかった人がクラスを上げて参加したら意外にすんなり勝てたという話もあるので、もしかしたら息子もランクを上げたら案外勝てるのかも…。普段レッスンしていただいている碁会所の先生は「二段で参加したら?」って言ってましたしね。息子には、次回大会での戦績を期待したいです。
昨夏のこの競技会では、ヒカ碁スクール参加者に入賞者はなかったんですが、今大会では二段クラスで優勝、5段クラスで二位と三位入賞が出ました! ちなみに優勝賞品はお皿、二位と三位は水筒でした。内輪から入賞者が出て、初めて分かった賞品の中身です(笑)。毎年賞品は変わってるのかもしれませんけどね。
このクラス別競技会では、ハプニングが二つありました。
一つ目は、前述したように、息子が買ったばかりの秀策囲碁扇子を無くしてしまったこと。4局目を打ってるときまでは持っていたそうなんですが、そのあと紛失しちゃったみたい。会場内を必死に探しましたが見つからず、運営者にも問い合わせてみても落し物としては届いていないということで、あきらめました。誰かに持って帰られてしまったのかなぁ?
扇子に名前は書かないもんね。場所が場所なだけに、同じ秀策扇子を持っている人は多く、会場内でも販売されていたので見つけるのは不可能。普段、扇子を持ちなれていない息子に持たせていたのが失敗でした。今でも悔いが残ってます。
二つ目のハプニングは、もけもけが昼食のお弁当を食べ損ねたこと。昼食休憩時間がもともとなくて、各自、時間があいたときに食べるようになっていたんですが、もけもけの対局って時間がかかることが多いんです。普段も囲碁大会で昼食を取り損ねることがよくあるので、この大会でもそうなってしまった。四局目が終わって休憩所に行ったら、もう飲み物もお弁当も全部片付けられたあとでした…(涙)。
■本因坊秀策杯「因島オープン・プロVSアマ戦」
クラス別競技会が終わって、急いで2階の本因坊秀策杯予選会場に駆け上りましたが、時すでに遅し。準決勝まで終了し、会場は片づけられているところでした。予選風景もお伝えしたかったのですが残念無念。写真のトーナメント表だけが残されていました。
これを見ると、アマチュアは全員一回戦目で敗退してしまったようです。期待の星・高校生くんもプロには勝てなかったのか…。
二回戦目からのプロ同士の戦いを勝ち抜いたのは、結城聡九段(関西棋院)と青木紳一九段(日本棋院)のお二人です。どちらも優勝候補と目されていた方ではないでしょうか。関西棋院と日本棋院の激突になったのも、おもしろい手合いです。
もけもけが会場の大ホールに入ったときには、すでに決勝対局が始まっていました。決勝は、NHK杯方式の秒読みで行われていました。秒読みは向井初段、記録係が高校生くんだったようです。
写真の向かって左が黒番の結城聡九段、右側が青木紳一九段です。結城九段は対局中はかなりの猫背なんですね。指導碁のときもそうでした。青木九段は、中盤終わり頃からヨセにかけて、盤上に身を乗り出して熟考したため、大盤解説者用のモニター画面に映し出される盤面に青木九段の体が覆いかぶさって見えなくなったようで、解説者があわてるという珍場面がありました。
大盤解説者は前大会優勝者の石田篤司九段、聞き手はアマチュアの徳永紗月6段です。
写真ではよくわかりませんが、布石から白が積極的な手を打ち始め、いきなり中盤戦へなだれ込みました。プロにはあり得ない手ではないのかもしれませんが、観客からは「ほ〜」とか「へ〜」とか驚きの声が上がっていました。もけもけも「え、そんなところに?」と驚いた。アマには怖くて打てそうにない手をポンポン打たれます。さすがプロ!
右上隅で始まった攻防が、次第に盤面のあちこちに飛び火する感じで、持ち時間が少ない碁でありながら盤上のいたる所で攻め合いが起こった、面白い内容の碁でした。
もけもけの棋譜再現能力がなくて、みなさんにお伝えできなくて残念です。途中で睡魔に襲われて、一旦外に気分転換に出たのもあって、対局全部を見てたわけじゃなかったですし。
余談ですが、ヒカ碁スクールの子供達は、この公開対局中、爆酔してました。会場のど真ん中前の方の席だったんですけど(笑)。囲碁の対局を見ていると、どうして眠くなっちゃうんでしょうね。白熱した戦いで「この先を見たい」と思っているのに、睡魔に負けてしまいます。NHK杯も、寝ないで最後まで見れたためしがない。
プロ棋士さんにも聞いてみたことがあるんですが、プロ棋士でも他人の対局を見ていると眠くなるんだそうです。不眠症の人に、囲碁観戦はオススメかもしれないですね。
話を元に戻すと、両対局者は中盤戦半ばで持ち時間を消費しつくしました。一手30秒以内に打たなくてはならなくなったのですが、30秒近くギリギリまで熟考する白に対し、黒がポンポンと手拍子のように打つ様子を見て、解説の石田九段曰く「大抵の場合、じっくり打ってる白の方が形勢がいいと思ってるんですね。黒のように早打ちしてる場合は、ヤケクソになってるわけじゃないですけど、形勢が悪いので早く決着を付けようと早打ちになってるんですね」。
どうやら石田九段の判断では、中盤以降、黒が形勢不利のような口ぶりでした。もけもけも目算するのが面倒だったので、石田九段の解説を「ふむふむ、なるほど」と聞いていたのですが…。
中盤戦の終わりは、最初の攻防でできあがった右上隅の一手ヨセコウに決着をつけるときがやってきました! コウ争いを利用してヨセをバンバン決めていく形になり、解説が追いつかないほど激しい早打ちで進んで行きました。
ヨセから終局までは早かった! 解説しながらの早碁だったので、目算する暇がなかった石田九段は「白の方がいいんじゃないでしょうか」と予想していたのですが、数え終わってみると盤面で黒の20目勝ち。コミを入れて13目半勝ちの大差でした。「え! 黒が勝ったんですか!?それも盤面20目も!?」と驚く石田九段。
局後の両対局者の感想が笑えました。
結城聡九段「ボクの方が随分いいハズだったのに、石田先生が『黒が悪い』ってしきりに言うもんだから、おかしいなぁと思ってました」
青木紳一九段「ボクも途中で投げようかって思ったくらい、白が悪かったです。でも、せっかく楽しんでくださってる囲碁ファンのみなさんのために、最後まで打ったんです」
対局中に、石田九段が「このように、すぐ横で解説していても、対局者は真剣に打っているので解説の声は聞こえていないものなんですよ」とおっしゃってましたが、両対局者とも、しっかりと聞いていたようです(笑)。
■閉会式
最後は大ホールへ参加者一同勢ぞろいして、閉会式が行われました。
結城九段、優勝おめでとうございます! 青木九段も、おもしろい碁を披露してくださり、ありがとうございました! もしかしたら、週間碁か何かでこの対局の棋譜が掲載されることがあるかもしれないので、もし見つけたらこの記事を思い出して検討してみると面白いかもしれませんよ。
閉会式では本因坊秀策杯の表彰のほか、クラス別競技会の授賞式、最後にはお楽しみ抽選会がありました。もけもけは、抽選会でコンパクト懐中電灯をもらえたよ!
…という感じで、楽しい二日間はあっという間に終わってしまいました。楽しいことは時間が過ぎるのが速いんだよねぇ。また初日の朝に戻りたいよ。
最後になりましたが、大会運営者のみなさま、その他参加者のみなさま、楽しい囲碁イベントをありがとうございました。そしてお疲れ様でした!
特に、この囲碁合宿を企画してくださった「ふれあい囲碁岡山」の皆様、岡山ヒカルの碁スクール事務局の「ひがし岡山囲碁サロン」の先生方、ボランティアスタッフの大学生のみなさんには、大変お世話になりました。一生の思い出に残る囲碁合宿を催してくださり、感謝の念でいっぱいです! これからもどうぞヨロシク!
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さて、プロ棋戦速報に話を移しましょうか。
一勝一敗で迎えた碁聖戦第3局は、147手をもって、依田碁聖が中押し勝ちしました。対戦成績を2勝1敗として、依田碁聖が防衛に王手をかけたことになります。
次回第4局で決着がつくのか、第5局までもつれこむのか、楽しみですね。
今回は(今回も?)このプロ棋戦速報が対局当日中に書き終えられず、内容も簡単なものになってしまったことをお許しください。大急ぎで書いたのですが、予想以上に「本因坊秀策囲碁まつり」の体験レポートを作成するのに時間がかかってしまいました。あしからず。
碁聖戦第4局の棋譜や対局状況などの詳しい情報は「日本棋院」ホームページの「第29期 碁聖戦 挑戦手合碁盤勝負」のページを参考にしてくださいね。
碁聖戦第4局は8月12日(木)に行われる予定です。
■追記
第49回本因坊秀策囲碁まつりの成績(プロアマ・トーナメントと段級位戦)の対局結果は、せとうちタイムズさんのホームページに掲載されています。
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来島者によって評価がマチマチ(笑)な因島ですが、堪能していただいたようで良かったです。
「秀策杯」は年2回開催してますので、またお待ちしておりま〜す。
トニイです。毎度,トラックバックありがとうございます。
今回も,因島リポート力作ですね。
碁聖戦第3局は午後3時30分と結構早い時間に決着したようです。
さて 08.12 第4局は地元石川県(北國新聞:主催)で行われますけど,観戦には行けませんです(;_;)。
http://www.hokkoku.co.jp/igo/
すごーい力作の記事ですね(^^) 因島に行ったのがほんとに楽しかったんでしょうね。うらやましー。
あっしも大昔に因島に行ったことがあります。その頃は囲碁のことをなーんも知らなかったので、いまにして思えば惜しいことをしたなー、と思ってます。
またいつか行きたいです。
Posted by: kamu : 2004年07月27日 21:23こういうイベントがあったんですかー。
近くに住んでるのに全然知らなかった・・・。
週刊碁とかの小さい告知記事なんか読まないし、もっと因島市さんもちゃんと告知してくれればいいのに・・・。
高校生くんのお名前は、「岡野涼太」くんではないですか?
鳳凰杯にも出場されるようです。
http://0845.boo.jp/times/archives/000396.html
(別の人だったらごめんなさい)
> しのさん
来年一月の第50回囲碁まつりは、29日(土)、30日(日)に行われると決定されてるみたいですね。(閉会式でアナウンスされてた)
年2回だけど、子どもには夏休み中になる7月の方が参加しやすいです。
> トニイさん
せっかく地元であるのに参加できないのは残念ですね。
岡山は将棋のタイトル戦はある(大山棋士の出身地でもあるから?)けれど、囲碁のタイトル戦はないんですよね。うーむ。
> kamuさん
囲碁目的以外にも因島を訪ねる観光客、多いみたいですね。
もけもけが泊まったロッジに残されてた宿泊客の感想ノートには、いろんな目的で訪れた人たちのお礼が書き込まれていました。
今度は、囲碁目的で行ってみてくださいね。
> ももぞうさん
因島は囲碁に力を入れてるのに、広報がへたなのかしら?
そうです!高校生くんは涼太くんです!
紹介してくださったページにある写真より、今はもうちょっと髪が伸びてて、ツンツン立ってたような…?
高校生くんのお名前は、「岡野涼太」くんではないですか?
鳳凰杯にも出場ですか。ほんとに有望株なんですね。
囲碁ファンのおじさまたちにも「涼太、頑張れよ!」って人気者みたいでした。
トラックバックありがとうございます。
綾部での第2局と同じく、第3局も依田碁聖が勝たれたんですね。






